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"彼の思考はしだいに勾配を増す闇のらせんの中に砕けちり、ドゥサンダーはまるで油を塗ったすべり台に乗ったように、そのらせんを下へ下へとどこまでも落下していった。"
――『ゴールデンボーイ』,スティーヴン・キング

"僕の思考は次第に勾配を増す闇の螺旋の中に 砕け散り空へと墜ちていく"
――『追憶の破片』,MALICE MIZER


しかし、この出会いで思ったのは、やはり創作行為と表現行為は別物だということだけだった。

両方できる人もいるし、片方しかできない人もいる。どちらが高尚というわけでなく、そうでなければクラシック音楽家なんて食っていけないはずだ。翻訳家もそうかもしれない。

盗作が罪になるのは、盗作者がそれを認めなかった時だけだ。物盗りとは違う。

しかしキングか……。たしかにおもしろかった。けれど何かが足りない。いや、足りすぎるのかも知れない。映画も見てみようか。

comments

携帯からだと追記がしづらいのでここで。

しかし、安易に盗作と決めつけてしまったが(それはPlasticTreeが詩の盗作で有名だからだろう)、よくよく『追憶の破片』の歌詞を読み返してみると、『ゴールデンボーイ』そのものにも思えてくる。

この話は元SSの老人と、ごく一般的で、少しだけ上等なアメリカ少年との秘密の関係を描いた物語である。少年は老人の正体をネタに、老人が忘れたがっている忌まわしいナチ時代の話をするようせがむ。そして二人は次第に悪夢にうなされ、忘れていた本性を取り戻していく。

"深く戸惑う心の隙間を舞いながら言葉を探して 僕の罪がまた始まる"
これは作中に幾度も見られるトッドとドゥサンダーの心理的な駆け引きではないか。「僕の罪」は恐らく嘘と殺人。

"追憶の破片 鈍色に霞んでいく 無言の悲鳴に身を狂わせる"
これはドゥサンダーがモサドからの逃亡中に、そしてトッドに掘り出されて見る夢のことではないか。
"何かの終わりと色褪せた記憶だけ 抱えてあの空へ墜ちていく"
何かの終わり――安息でしみったれたアメリカでの隠遁生活が破滅の道を歩み、あの空――鷲のように全てを見下ろしていたあの頃に"墜ちて"いく。

"誰も今までの惨烈な軌跡など知らない~中略~人と詐称する僕は豊かな黒い色彩をちぎれた指でなぞり合う"
アーサー・デンカーとしてアメリカ人になりすました元ナチの罪?

そして歌の最後に執拗に繰り返されるフレーズ
"誰も止められない 僕は墜ちていく 君と墜ちていく"
は、悪夢にうなされて浮浪者狩りをやめられなくなってしまった二人のことではないのか?螺旋とは二人で描くダウン・スパイラルのことでは?

うう、ネットさえ繋がっていれば、グーグル先生に訊けるのに……
  • [2007/10/19 01:39]
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  • 追記
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最近はぐぐる先生も駄目出しされてるみたいね。

一応『MALICE MIZER 盗作 スティーヴン・キング』でぐぐったらこのブログがトップに来たことをお伝えしておく。「キング」でも同様。

せめてネットくらい整備しろよ。
  • [2007/10/19 02:40]
  • URL |
  • 774RR
  • [ edit_c ]

凄げぇwモロパクリwww
ホントそのまんまだが、それでもわたくしはMALICE MIZERの『追憶の欠片』が好きだw


『追憶の欠片』って、元来使いたかったフレーズは『改竄の軌跡』だったが、しかしそれは歌詞として曲に乗りにくいので『追憶の欠片』とした。
っつーのをGがインタビューで言ってた覚えがあるんだけど、これはどう読み解く?

ついでに『無言の悲鳴に身を』の後は『震わせる』だったはずだ。
そして自分の突っ込みがキモヲタ臭い。
  • [2007/10/19 23:45]
  • URL |
  • ami
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昨日は書き忘れたけれど、これはパクリでも盗作でもないと思うな!いわゆるインパイアだ!(≠インスパイヤ)というのも、問題の一節が現れるのは冒頭の一発目なのだよ!つまりまずはじめに聴き手に対して題目を提示しているのだ!こんな堂々としたパクリがあるかいやないっつってんだろこのヒップホッパー!

そして足長おじさんありがとう。そうか文献はないか。ミゼラーとキング読者とホムペ管理人の積集合はいないなんておかしいな。
しかし君の正体はわかっているぞ!おおわが愛しのツンデレラ!

あみくん。君は一番大事なことを言った!そうだ!何があろうと追憶の破片が名曲であることにはかわりがないのだ!たとえ作詞作曲全パクリでもMALICE MIZERによって演奏され歌われたのなら僕はマリスを全肯定するぞぉー!
改竄の軌跡については、仮にオマージュという視点でこじつけるなら、パティンの吸血鬼とまで恐れられたドゥサンダーが、アメリカの片田舎で毎日酒を飲んでしみったれた余生を送ることこそが自らの罪と和解する方法だと、自分の性癖を改竄したことかしら。しかし少しずれている気がする。むう。

歌詞間違いすまそ。
  • [2007/10/20 00:49]
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  • 食パン
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こんな嵌り方をするとは思わんかった(笑)
マリスの歌詞ってややこしいのね。小説みたいや。そーいや追憶の情景って曲があったなあ…

キングは良くも悪くもアメリカ小説って感じで食い足りない感あるのはわかる。ただここまで自己陶酔や自己投影のない作家もないと思うから、超一流のエンターテイナーなんでしょね。
  • [2007/10/21 00:11]
  • URL |
  • あお
  • [ edit_c ]

なんでもラルクを引き合いに出しやがって!ちなみにGacktはSecret Gardenで
"歪み続ける時空の狭間で
背中に刺したナイフを羽根に見たて
宇宙を仰ぎ続け"
という詩を書いております。さすがに知ってるか。


なるほどー。自己投影や自己陶酔がないから、読んだ後ひきずらないのかしら。読んでる方も感情移入しないもの。
  • [2007/10/23 01:45]
  • URL |
  • 食パン
  • [ edit_c ]

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